全日本管楽コンクール

小学生部門・永岡万彩さん

小学生部門で優勝したのは、現在小学校6年生の永岡万彩(ながおか・まや)さん。幼少期より大手音楽教室で音楽に親しみ、3年生までピアノを習っていました。クラリネットは小学校3年生の12月から、所属する学校の吹奏楽団で始めました。他に、ウクレレを2年半習っています。仲の良い友達がクラリネットの体験に行って一緒に参加したことがきっかけでクラリネットにはまった永岡さんに、優勝の喜びや演奏の苦労などをお聞きしました。

永岡さんはウクレレを2年半、現在もやっています。海外のウクレレやいろんな楽器を親しめる施設に行って弾いてみたのがきっかけです。ウクレレは、クラリネットにも良い影響があります。知らない曲を知ることができ、いろんな音を演奏できて幅が広がります。クラリネットとの違いは、コードがあること。それが刺激になっています。

今回のコンクールに出ようと思った理由をお聞きしました。「クラリネットの講師がコンクール会場である東京オペラシティの話をしてくれました。その東京オペラシティで演奏することに憧れたからです。また、クラリネット奏者として審査員のたくさんの先生からご意見をいただいて、もっと成長したいと思ったから。私にとっての音楽は癒しだとおもっているのですが、怖くて泣いちゃったときなどお気に入りの曲で泣き止むような力があるといいなと思います。音楽が好きで興味を持ってくれる人が1人でも増えるような演奏ができたらうれしいです。

小5の頃の演奏

所属する、小学校の吹奏楽団(昨年度40周年)は、全国大会で上位の成績をおさめる強豪校です (万彩さんが通う小学校は両親の母校で、母親は吹奏楽団の初代メンバーです)。長年憧れだったクラリネットのパートリーダーを務め、顧問の先生から吹奏楽団のコンサートミストレスも任されました。

今回このような賞をいただけたのも、吹奏楽団の日頃の環境、出会い、ご縁あってこそだと思っています。クラリネットを直接ご指導いただいている講師の先生はもとより、吹奏楽団の顧問の先生のもと、高みを目指す仲間と共に切磋琢磨して、よりよい音を追求する日々、そしてその活動を見守り支える楽団保護者の皆さん、学校の先生、地域の方々にも本当に感謝の気持ちでいっぱいですと、目を輝かせて語ります。

今回の演奏は、聴いている人が心地良くなるような演奏ができるように普段頑張って練習しているので、成果が出てとても嬉しかったです。最初のコンクールに出たとき、とても緊張して、ふだん緊張したことはなかったのに足が震えました。

私は、スラー、リガードが得意なので演奏する曲を探していた時に、母が見つけてくれました。ゆっくり目の曲調で癒される曲です。私が思うのはゆったりとした優しい曲のイメージが強いけれど、1オクターブ以上跳躍するところがありそこがきれいにフレーズとしてつながったところがよかったと思います。タンギングが苦手なのですが、練習では得意な面を伸ばし、苦手なタンギングも少しずつやっています。今回の講評で、「これからも期待しています、将来が楽しみです」と言ってもらったので、がんばろうと思います。

今回の曲は途中でピアノも併せて、階段になっているような部分があり、細かく表現していかないとわかりにくいのでそこを意識して練習しました。温かく、包み込むように、優しく音量をイメージして練習しました。父親がエンタテイメントルームをつくりたいとのことで防音室になっています。娘に感化されてギター、サクソフォンなど始めたと永岡さんは笑っています。

パートリーダーとして責任も重大

クラリネットの魅力は、音域がとても広くて、さまざまな表現ができるところ。私は包み込むような温かい音色が大好きです。音域も広く、悲しい表現からうれしい表現、音色も温かいだけでなく、幅広い音色が出ます。伴走や合いの手のメロディも、いろんなことができるのが魅力ですと答えてくれました。永岡さんのお話からクラリネットへの愛情が伝わってきました。

普段は、所属している学校の吹奏楽団で、朝練1時間(毎朝6時半過ぎに家を出ます)、放課後も1時間半~2時間以上、土曜日も朝8時~12時まで4時間、仲間と一緒に毎日基礎練習からしっかり行っています。その他に月に3回、講師の先生からプライベートレッスンを受けています。

吹奏楽団で、クラリネットパートは人数が多いので、音を合わせるのが大変です。仲間と意見が合わないこともあるので、パートリーダーとしてチームを引っ張るのに苦労することもあります。今は10人のクラリネット奏者をまとめています。個性が強すぎて、言い争いになったりすることも。個性がクラリネットの音に反映して合わせにくく、毎日先生からは、なんで合わせられないのかと怒られています。そうやって苦労したことが自分のためになっているという永岡さん。

「将来、クラリネットで、人々の心を癒やせるような音色を奏でられる人になりたいです。音楽を職業にしたい。講師の先生のようにクラリネット奏者になるのが最終目標。そのためにも東京藝術大学に入ることが目標。そのもっと先はあまり考えていませんが、趣味で続けることもありかな、一生音楽に携わっていきたい」と話をする永岡さん。将来は素敵なクラリネット奏者になるでしょう。

※文中の学年・年齢は、エントリー時のものです。
※インタビューは6月下旬に行いました。

全国大会での永岡さんの演奏はこちら